持ち主が変われば「もったいない」は解消される
2015年のとある日。
打ち合わせが終わると「使い道に困っていた」というリサイクル着物のハギレをたくさん見せて下さり、「作品に使って」とダンボールいっぱいくださった!
「ハギレをあげるので選んでね」と以前お会いした時に言われていたのだけれど、その選別をするにも膨大な量。
お店側としても、すべて持って帰ってもらったほうが嬉しいみたい。
遠慮なくすべていただいた。
お店の方々がダンボールにリサイクル着物のハギレを詰めてくださっているのを少し離れたところで見ていた。
だからどんなものが入っているのかは、はっきりとはわからない状態。
当然のごとく手で持って帰ってくるなんてことはできないんで配送することに。
届くのを楽しみにしていた。
開けてビックリ!玉手箱!!!(笑)
120サイズのダンボールにたんまりと詰まってる!
貴重な生地がたくさん詰まってて!!!
感動いっぱい!胸いっぱい!!!(笑)
お店の方にとっては使い道に困る着物のハギレであっても、こうして私のような作家の手に渡れば、貴重な素材として活躍することができる。
生地から作品パーツへと生まれ変わり
別の形となって見る者の心に刻まれる
同じ「着物」というキーワードに囲まれ仕事・生活をしている両者が、環境が違えどこうして時間を共有し、言葉を交わし、笑顔を見せ合う。
このハギレを通してまた一つ絆が生まれた気がします。
これらを大切に活かし、また多くの方の心に留まるような作品を作っていく。
それが譲って下さった方への恩返し。
今あるものを使うのも大切
2014年に海外で大量に仕入れたビーズがある。。
一種につき、数万粒ある。たぶん軽く3万粒は超えている気がする。。。
良く見ると大きさにばらつきがある。
この不揃いが理由で、使うことなく保管したまま。
作品に使う素材にこだわるのは当然のこと。
でもこの不揃いたちもれっきとした素敵なビーズ。
「もったいないなぁ」と、それらを眺めながらどんなものを作ろうかと考えていた。
すると浮かんできたのがコレ↓
ポインセチア!!!
粒の揃った日本製のビーズで作れば繊細でより美しいものができるけれど、海外製の粒がまばらなものでも十分美しい。
ポインセチアのように自然のものを作るには、こういった不揃いなものを使うとよりナチュラル感が出てくる。
眠ったままのものであっても、然るべき時が来ると、こうして役割を果たすことができる。
この大作も不揃いのビーズたちで出来ている。
繊細さよりもダイナミックさを伝えたかったので、こちらをチョイス。
やはり力強く見えるし感じる。
選択は正解だった。
ビーズだけじゃなくお着物もそう。
naomariaが使う古着着物のほとんどは譲り受けたもの。「ぜひ作品に使ってほしい」と。
着られないし着ないし。。。
しまわれたままだし。。。
捨てるのも忍びないし。。。
「何かに使っていただけるのであればとても嬉しい」
そういって、私のもとへ頻繁にお着物がやってくる。
自分が思い描いたイメージを再現するために、ほぼ100%見合った着物を仕入れる、というのもありだけれど、それでは、結局眠ったままの着物が存在しているわけで。。
てか、イメージにぴったり合ったものを探し出すのって相当の労力と時間を要して超非効率!
ま、骨董市でアンティーク着物を仕入れることはしてるけどね(コレクション化してる)
それにね。
どこかで作品に使われているのを見たらうれしいだろうなぁ、と思う。
何か記念になるものへと変わって、また手元に戻ってくるのもうれしいだろうけれど、作品の一部になっていると思ったらロマンが広がらない?
そのためにも私自身がもっともっとアーティストとして活躍し、認知され、価値ある存在にならないと、といつも身が引き締まる想いでいっぱいです。
ご縁あって私のもとへやってきたお着物たち。
そこから自分のイメージに合ったものをチョイスして制作。
今あるものを大切に
これからの時代、それがスタンダードな制作スタイルになるんじゃないか、と思っている。
頂いた着物をしっかり活用出来るための工夫
快く着物を譲って下さった方のために、しっかり活用することが何よりの恩返し。
保有する着物の数が増えれば増えるほど、「どんな着物(生地)を持っているか」を把握しておくのは大事!
こういう工夫をしている。
生地のサンプル帳
アンティーク着物以外は色ごとにカテゴライズして番号を振り、台紙に貼っている。
クリアファイルに入れておけば、きれいに保管できるし確認しやすい。
作り方は驚くほど簡単!100円ショップであるもので作れます↓
最後に
自分なりのアイデアで眠ったままの着物が蘇り、新たな価値が付加され再び日の目を見る。
これは作り手にとってみたら快感の一つかも知れない。
着物は「着るもの」なので着用できればベストだけれど、全ての着物がそうできるわけでもない。
サイズ違い
好みではない
など理由はさまざま。
だからといって、ほかっておいても、ずっとそのままなわけで。
どこかで「どうするのか」という決断はしないといけない。
そんなときnaomariaのやってることや言ってることが少しでも役に立てば本当に嬉しい。
持っている着物の扱いに困ったら、もう一度naomariaを尋ねてきて。
何か良いアイデアが浮かんだら実行して。
それが「眠ったままの着物を一枚でも多く救う」一歩となるから。