妙に”文様”というものに惹かれるnaomaria。
着物好きの原点が”文様”かもしれません。
これまで色々な国を旅してきましたが、そこで目に付くものはデザインや文様、そして色彩ばかり。
制作活動を始める前からすでにそんな感じ。
無意識に造形美に着目していたんですね~。
無意識からくる行動は、本当に好きなものであったり、自分の奥深くまで刻み込まれたコアだったりする。
だから無意識の行動に着目することは何においても大事なんですよ。
なので、自然と目が行く文様に焦点を当てた旅ログをシリーズでお届けすることにしました!
第一弾は、強い記憶に残っている2014年4月のタイ。
このときが初タイ。
友人のお仕事に同行した久しぶりの海外旅行。
どこもかしこも色彩豊かで、どこか日本にも通じる文様が溢れていたのを思い出す。
テンションもあがりまくり、洋服を買いまくって帰国したときには税関で怪しまれるほどの大荷物になった。
そんな初めてのタイで見かけたさまざまな文様や建築、デザイン。
それらを一記事一カ所でお届けします。
ワット・イントラウィハーン
念願だった大きな涅槃仏で有名なワット・ポーへ行く日がやってきた!
宿泊していたホテルの目の前に船着き場があったのでボートで向かうことに。
ワット・ポーへ行くには「ターティアン」という終点で下船する。
初めてのエクスプレスボートにも乗れたし、ワット・ポーにも行ける♡とご満悦。
ワット・ポーはターティアンからすぐのところにあるというが、トゥクトゥクに乗ろう!となった。
交渉では35バーツ。
「妙に破格値だな。大丈夫かな。」と心の中で思ったのだけれど、結局乗ることに。
これが悲劇の始まり。
結論を言うと、ワット・ポーには行けず。
行きたいワット・ポーには全然連れて行ってはくれず、知らない寺院ばかりを巡り、途中土産物屋へ何度か連れて行かれる。
そこで何も買わなければ捨てられる、という、いわゆる「トゥクトゥク詐欺」だった。
私たちは3軒目に訪れた寺院で捨てられた(笑)。
お金は払っていなかったので、「タダで観光させてもらえたからラッキー♪」と捉えた。
なんという前向き思考だろう。
こんなのんきに笑ってる場合じゃない。
まさかこの後に捨てられるとは想像もしていなかったよ。
でもこのおかげで今でも強く記憶に残る旅となっている。
ある意味感謝?!
この詐欺ツアー(笑)でまず初めに連れて行かれたのが、タイトルにもある「ワット・イントラウィハーン」
(知らない寺院に忙しなく連れて行かれたので、どこの寺院だったかを調べるのが大変だったよ)
この寺院にはランドマーク的な仏像がある。
う、薄すぎるボディー。
金板でパンパン叩いて作ったんかな?と不謹慎な疑問が湧いて出てくる。
これだけで見ると、どこかの遊園地に見えてしまうのは私だけかな?
巨大仏像はパラシュート・タワーにしか見えてこない。
見上げると首が痛くなるほど大きい。
32mの高さがあるというこちらの立像は、バンコクで一番の大きさ。
タイで有名な高僧ルアンポー・トー師が60年の歳月をかけて完成させた。
1867年に建造開始。
今から150年も前にこれほどのビッグサイズの仏像を作ったのかと思うと非常に驚く。
今みたいにクレーン車があるわけではないだろうし。
それだけで信仰心の高さをうかがえる。さすが仏教国タイ。
太平洋戦争中、この仏像の目の前に何度も爆弾を投下されたものの、全て不発で終わったという逸話がある。まさにご加護。
お護りくださった、と地元の方から厚い信仰を受けている。
この仏像の足の爪に、お花などを乗せたり、金箔を貼ったり、お線香焚いたり、コインを置いたりなどして祈りを捧げる。
タムブンと呼ばれ、功徳を積む行いとされています。
ここワット・イントラウィハーンの境内には豪華絢爛な装飾が溢れている。
どこの国でも、宗教に関わる場所には伝統的な装飾や文様をたくさん見かける。
こちら巨大な仏像の足元には小さな参拝所があります。
小さくても緻密で豪華な装飾に変わりはない。
お堂が開いていなくても、こちらで参拝可能。
そして傍にある回廊には霊鳥のような彫刻の電灯が立っています。
この鳥は、棟飾りにも付けられているガルーダじゃないかな、と推測。
ガルーダとは光輝き熱を発する神鳥のことで、インド神話に登場します。
ヴィシュヌ神の乗り物とも言われています。
境内にはウィハーンと呼ばれる仏堂があります。
日本のお寺で言うと本堂のようなもの。
ここにご本尊がいらっしゃる。(ご本尊は調べ切れていない)
ホント豪華絢爛!
まばゆいほどの金が贅沢に使われている!
しかも繊細で緻密な細工!
どんだけ力のこもった建築なんだろう?と、驚くばかり。
神や仏の居る場所は美しくあるべきなんでしょうかね。
どれほど労力、財力を投じたか。
「想い=信仰心」なのかもしれない。
金にカラフルな石がはめ込まれている装飾が特徴です。
石なのかガラスなのか陶器なのか。ふと疑問に思いました。
もう一度現地で確かめたいものです。
モチーフの多くは植物を模した文様。
こちらの柱は、羽根を纏っているようにも見えます。
ガルーダの羽根でしょうか。孔雀の羽のようにも見えてきます。
蛇使いのおじさんの頭に付いていそうな突起がアーチの先端に。
鳥の顔のように見えますね。
アーチの外周には柱と同じような羽根風モチーフがぎっしりと詰まっている。
一枚一枚のモチーフに更に縁飾りを付けるという凝りよう。
アーチの中には唐草が立体的に表現されています。
横に延びる帯状部分には、宝相華のようなお花の文様と唐草のコンビネーション。
これは日本でもよく見る組み合わせの文様です。
最下部の帯部分の装飾は、松かさのように重なる花びらがたくさん集まり、一つ一つがぷっくりと立体を成している。
それはまるでナツメヤシを意匠化したパルメットのよう。
パルメットは古代ギリシャで生まれた歴史あるモチーフです。
ちなみに妻壁の装飾は寺院毎に違っており、それぞれ特徴が現れていて見ているだけで楽しい。
これら装飾はどんな想いで作られたのだろう?
この世に存在するものは、全て人の想いから誕生している。
そこに想いを馳せるとまた感じ方が違ってくる。
ふと目に留まった軒天の装飾。なんだか馴染みのある文様に見えた。
よくよく見ると、菊花文様に見える。
照明装飾のようですね。真ん中に電球らしきものが見えます。
昔、ナショナルからこのようなレトロな壁面照明が販売されていました。
ダリアにも見える姿形。
私は多弁の花が大好きなので、余計に目を奪われる。
ダリアとかの多弁花ってかわいらしいくも妙に色気があるんです。そう感じません?
菊はタイでも馴染みがあるのかな?と思い調べても良く分からず。
お祈りなどに使うハワイのレイに似た花飾りプアンマーライに使われることがあるけど、メジャーではないみたい。
ちなみに、菊の花言葉は「高貴」。
日本では皇室の文様にも使われている菊ですが、正式な国花ではありません。
そもそも日本には法定上の国花は存在しない。
ただ皇室を象徴する菊なので事実上の国花とされています。
タイの国花は、藤の花によく似たラチャプルックという黄色のお花。
5~6月頃に咲き誇るようです。
こちらは曼荼羅風花文様。
何の花をモチーフにしてるんでしょうか。
仏教というと蓮の花を思い浮かべる。
蓮っぽいような気もするけど、そうではない気もする。
なんでしょう、この花は。いずれも一層が8弁の二重花。
こちらは菊花文様風モチーフが八角形に並べられている。
見ているとそれぞれが星に見えてくる。宇宙を連想させる天井装飾。
この菊花風文様モチーフ。
どことなくロゼットにも見えてくる。
ロゼットとは、古代ペルシャにて誕生した縁飾りによく使われる定番の花モチーフ。
アッシリアの女神イナンナを象徴した花模様と言われています。
ロゼットは私の好きな文様の一つです。
日本の神社もそうだけれど、「8」という数字には意味があるんでしょうか。
ここでも文様に「8」が隠されている。
風水で「8」は良い、という漠然とした知識は持っているものの、追求したことがないのでこれ以上深掘りできず。
伊勢神宮内宮そばの猿田彦神社で、八角形の鳥居や垂木などを見た記憶があるので、ふと疑問に思いました。「8」について。。。
そして、これらはワット・イントラウィハーンへの出入り口のアイアン装飾だと記憶している。
このデザインを見て、おや?となった。
タイってヨーロッパの国に植民地化されたことあったかな?
それにしては街並みからは欧州の雰囲気を全く感じられない。
と思って調べてみた。
タイは、一度も植民地化されたことはない。
西のビルマは(現ミャンマー)はイギリス、東のベトナム、カンボジア、ラオスはフランスの植民地だった。
イギリスとフランスが平和的状況を保つために、間にあるタイを緩衝国として1896年に英仏宣言を締結したそう。
そのため、タイは一度も植民地化されずに今に至る。
どなたか西洋趣味がおありだったのかも。
アイアン装飾ってフランスのイメージがめちゃ強い。あくまで個人の感想。
大英博物館かV&Aか忘れてしまったけど、アイアン装飾の専用コーナーがあったのでイギリスでもかなりメジャーなのかも。
このときはじっくり見られなかったので気づかなかったけれど、2回目のタイ訪問時に現地ガイドさんから教えられ「曜日仏」というものを知りました。
曜日それぞれの守護仏、守護神のほか、色までもがある。
所在地 |
144 Wat Intharawihan, Bang Khun Phrom, Phra Nakhon, Bangkok 10200 |
電話番号 |
+66 2 628 5553 |
営業時間 / 開館時間 / 拝観時間 |
6:00 ~ 18:00 |
定休日 / 休館日 |
なし |
入場料 / 入館料 / 拝観料 |
無料 |
アクセス |
バス(3,6,9,19,30,32,33,43,49,53,64,65番) エクスプレスボート「Thewet」下船 |
URL |