以前、洗い張りをしたところ、気になることがありました。
洗ったのはこちら。
大振りの牡丹が印象的なお着物。
銘仙のようなレトロなデザインが気に入った頂き物の袷。
洗うとドッと染料が水に滲みだし、紫色に水が染まってしまいました。
グレー部分への影響を心配したけれど問題なし。
乾くと糊が効いてるような張りのある生地に。
これなら扱いやすい。扱いやすいんだけどなんで?
なんでこんなにパリパリしちゃうの???
いくら洗ってもピンッと張った生地があるんだけど。
結構な割合で出会う。
糊だろうな、と思ったんだけど、糊なんて洗えば取れるんじゃないの?と、疑問しかわかない。
でもあるとき気づいたの。
だいたいパリパリしちゃう生地って、昔の着物の薄い生地ばかりだってね。
パリパリの答え!
昔の薄い着物生地(特に胴裏などの裏地)は、時間が経つとたるみやすくなってしまうためノリをつけてハリを出し、表地とのバランスを取っていたそう。また熱と蒸気が生地に当たる湯のしにより、生地の質感は自宅での水洗いとは全く異なるものになるのだとか。自宅での水洗いではノリは落ちないので、どうしてもパリパリ感は逃れられない。
洗い専門の業者様からお答え頂きました!
あ!確かにパリパリしてしまうのは胴裏が多いかも!!!
自宅で着物を洗った方の失敗話に、胴裏と八掛からなる裏地が伸びて表から見えてしまう、ってあるよね。
裏地のびのびは着物あるあるなのね!
私が昔のお着物に惹かれる理由は、斬新なデザインが多いってこともあるけど、他に、生地厚が好み!ってこともある。
お布団を干した後の感触がなぜか苦手なんだよね。ひんやり冷たい感触が妙に好き♡
(だからといってお布団を干さない訳じゃない)
生地全体そんな感触のものが好き。
昔の着物ってとてもすべすべしてるでしょ?
平滑だから引っかかるものがないし。さらっ~~~と撫でられる心地よさ。
このスムースさが最高なのよ。
シルクなんてそれを完全に再現してる最高の素材よね。
すんごいマニアックなお話。
でも、生地を扱う人って、こういう他人じゃ判らないような細かいこだわりがあったりするんじゃない?ま、生地に限らずだけど。。
このこだわりがいつかオンリーワンの何かを生み出すんだよね。
話を戻して、こんなに薄い昔の着物が好きで集めまくっているわけだから、パリパリしちゃう子との遭遇率が高いのも納得よね。
いろんな時代のいろんな着物に触れていくことで、どんどん知れる着物の知識。
本当に奥深い世界です。