着物をリメイク作品などに使う場合、ご自身で解かれる方も多いと思います。
着物を解いた後はどうされていますか?
そのまま使う?
洗ってる?
私は古着が得意ではないので洗います。
というのも古着の着物ってかなり汚れているものが多いんです。
特にリサイクルショップや骨董市で仕入れたものはね。
直接譲り受けたお着物は状態が良いものが多い。
中にはクリーニングへ出し戻ってきた状態のものもある。
当然ながら、全てがそういう状態ではありません。
こちら頂いたウールの単衣着物。ウールの単衣といえば日常着。
日常着ですが大切に保管されていたそう。
比較的きれいな状態ではあったんですが、洗った方が良い印象だったので手洗いをしてみました。
解いた着物を洗う場合は、掛衿(共衿)で試し洗いをします。
何故この部分で試し洗いをするのか?
一番汚れているところなので、染料が染み出てしまったり縮んでしまっても潔く処分出来るから。
問題なければ続行。
難あれば悉皆屋さんに洗ってもらうことをオススメします。
着物洗いのビフォー/アフター
こちらは何の問題もなかったので全て洗いました↓
洗う前と後の違いがわかるかな?
洗った後の方がくすみが取れて明るいし、柄の発色が良い。
並べてみるとよく判るね。
押し洗いした水を見れば納得。
ね?
この汚れをしっかり取っておかないと、臭い、カビ、虫食いなどの原因となります。
もちろんくすみや発色の悪さにも影響してきます。
作品寿命を長く保つためにも「洗い」は絶対に欠かせない作業です。
作品をたくさんの方に長く愛でて頂きたいのなら洗いましょう!!!
手間は惜しんではいけません!!!
解いた着物を洗う3つの方法
洗濯機で洗う
洗い張りをする
手洗い
一番無難な方法。
様子をうかがいながら少しずつ洗うことができます。
洗面台か洗面器、バケツなどを使って洗います。
・絹が洗える液体洗剤を使う
・すすぎをしっかりする
・脱水はせずに日陰に干すか、洗濯機で30秒くらい脱水する
・半乾きになったらアイロンをかける※1
洗濯機で洗う
洗濯機で洗うのはとても楽ちんだけど、随時着物の状態を確認できないというデメリットがあります。どのような状態になってもよい、という場合にのみオススメする方法です。
そして、洗いしわを取るためにアイロンがけは必須です。
・洗濯ネットは中で生地が動かないサイズを選ぶ
・手洗いコース(おしゃれ着コース)を選択
・絹が洗える中性洗剤を使う
・着物一枚なら3分以内で水洗い※1
・すすぎは2回(1枚なら1回でもOK)
・脱水はしないか30秒
・しわを伸ばし日陰に干す
・半乾きになったらアイロンをかける
※1 水に浸かっている時間が長ければ長いほど縮みやすく染料もしみ出しやすい。2枚以上でも5分以内で。【着物の状態によってはもっと短くした方が良い場合もあります】
伝統的な洗い方 洗い張りをする
・つなぎ合わせた両端に生地を縫い付ける
・洗う
・張手に挟み込み両サイドをゴムで固定する
・生地がたわみすぎない程度に引っ張り固定する
・伸子を打つ
・乾いたら伸子と張手を外し保管する
洗い張りについてはより詳しくこちら↓で説明しています。
>> 解いた着物を昔ながらの方法「洗い張り」で洗う
着物は身頃、衽、袖、衿などといったパーツに分かれています。
直線断ちしている部分を縫い合わせれば、仕立てる前の反物の状態へと戻ります。
そのための端縫い専用の機械がありますけど、一般家庭にはないものです。
ミシンの「ジグザグ」を選択し縫い合わせればいいです。
洗い方はこちらを参考に↓
液体洗剤を水に薄め浸け置きし、亀の子たわしで少しずつ洗っていきます。
洗い張りは張手と呼ばれる道具を使います。
縫い合わせた長い生地の両端を針がたくさん並んでいるこの張手に挟みこみ固定します。
張手の針はとても太いので、布に大きな穴が空いてしまいます。
そのため縫い足した別布部分に針を挿します。
生地がたわまないように両隅を引っ張るような形で干します。
このとき力が加わりすぎると張手が開いてしまうので、両端をゴムで固定します。
生地が乾いたら伸子を外し、張り手から取り外します。
せっかくしわなく乾いたので、折りたたまず丸めて保管します。
naomariaの洗い方をご紹介しています↓