個展を開催する度に新聞記者さんたちが取材に来て下さる。
中には10年以上の付き合いの方もいらっしゃいます。
何度もお会いしている記者さんは、既に私のバックグラウンドや想い、作品スタイルを知っているので話す内容はいつも決まっています。
展示作品数
特に思い入れのある作品
展示で観てもらいたいところ
読者さんへのメッセージ
あとは雑談から記事になる場合もあります。
記者さんと仲良くなると、カラー面に掲載してくれる確率が高まります。
記者さんの勤続年数や社内の信頼度にもよりますけどね。
なんとしてでもカラー面に載せられるよう頑張ってくれる場合もあります。
これは誠実に記者さんと向き合い、お話しをし、最後にはお礼を告げる。
その繰り返しで、記者さんとの間に信頼関係が生まれ、結果配慮を受けやすくなる、ということです。(全てにおいてそうなるとは限りません)
記者さんも感情を持った人間なので、理解できますよね。
記者さんにも自己プロデュースは必要
初めての記者さんや交流の浅い記者さんには、まず自分のことを知ってもらうことが大事となります。
どこの誰だかわからない人の話を文字にし、第三者の読者さんへ分かりやすく伝えなくてはならない。しかも文字数は限られている。
そうなれば、的確な言葉でダイレクトに伝わるよう文章を組まなければいけないのは当然。
まずは自分がどんな人で、どんな想いで活動を始めたのか、を丁寧に説明します。
とは言えども、記者さんの時間は限られているので、作品の説明と同時進行で想いをとにかく伝えるように意識しています。
想いがこもればこもるほど、ジェスチャーが大きくなり、声もでかくなる。
しかもノンストップで喋りがちとなるので、客観的な視点で自分を見守ることも大事です。
初めましての記者さんの取材光景
こちらの男性記者さんとはこのとき初対面。
全国紙の大手新聞社の記者さんで、掲載スペースがあまり取れないので、取材してみた結果で掲載するかどうかを決める、という緊張ものの事前通達がありました。
いかに記者さんの心を掴めるか。
勝負の時間でした。
上の衝立の作品は、70~100年ほど前の着物のみを使った作品。
ここで使われている着物生地はどれも、現在の着物のイメージとは懸け離れた柄行が多い。
「これも着物ですか?」と色々な部分を指して尋ねてくる。
もちろん全てYes!
どうして今と違うのか?
時代や流行、染めや生地質の違いなどの話も絡めてお答えしてました。
その様子を見ていた広報が、1聞かれれば10返す私の受け答えから記者さんの姿勢が突然変わった
と言っていました。
自分の感覚的にもここで喋ったのが、一番長かったし熱量もこもっていた気がする。
記者さんはみな百戦錬磨なのでインタビューの受け答えの仕方で全てを悟ってしまう。
さらに言えば
それは本当の想いなのか表面上のもの(建前)なのか?
これは作家側の声色、ちょっとした仕草、そして目つきで判る。
それをキャッチしより深い質問でどんどん深掘りしていく。
その才能が記者さんたちは長けていると感じます。
このときの取材は無事にカラーで掲載され、その日から新聞を見た方々がたくさん来場して下さいました!
新聞の力ってすごいね!
インタビューに答えることで自分の考えがまとまる
記者さんからのインタビューに答えていくことで、さらに自分の中の想いや考えがまとまったり、それらが輪郭を持ち出したりします。
ってよく聞くよね?
まさにそれで、自分のことをしっかり伝えなくちゃいけない「新聞記者」という相手に対しお話しする事で、マインド的にも活動的にも今後の指針がより明確化していきます。
ここまで考えて喋ってる人が居るかどうか疑問だけど…
このときのテーマは「Core」
私の中にある核の部分はこうした数ある取材の中で培われてきた、と言っても過言ではない。
・作品を好きなように感じ、好きなように楽しんで欲しい
これは個展を開催するにつれ、取材を受けるにつれどんどん強くなった想いです。
秘めた想いを言葉にすることと比例して、想いも強まるイメージです。
私の想いを引き出し言語化し、みんなに伝えて下さる。
これまで取材をして下さった全ての記者さんたちに私の想いを肥大化させてもらっています。
なにも取材じゃないとダメ、じゃなく、普段からそれはできること。
こうして記事に書くこともその一つだろうけど、実際に誰かと対面してお話しする。
自分でお仕事をされている方は、こうして日々自分のプロモーション活動を行っています。
相手に伝わるよう、理解してもらえるよう工夫して話すことで、伝え方がどんどん洗練されていき認知されるようになる。
来場された見知らぬお客様に私のことをよくご存じの方がいらしたのだけど、こうしたプロモーションが見知らぬどこかで花開いているって証。
ポツポツ咲いてたのが、満開になり美しく咲き誇る大木になっていく。
これが自分の花を咲かすってことかもしれないね。
自己プロデュースに必要なこと
ここで
自己プロデュースとは何か?
と思われる方もいらっしゃるでしょう。
できることを伝えるだけではなく、想いの先にある自分の理想像に近づくための戦略的な計画、ともいえます。
「なりたい自分」をイメージし、そのために何が出来るのか。何が必要なのか。
それらを分析し、「なりたい自分」に向けて行動する。
もちろん他人にわざわざ言わなくても行動に移せば良いのですが、自分でお仕事をするにはこの「自己プロデュース」は必須となります。
会社の中にブランディング担当や広報担当がいるように、個人事業主であっても専門家にお願いすればやってもらえます。
だた、その方にお願いするときに自分の想いや理想像、ビジョンが伝わっていなければ、最終的に第三者には正確に伝わりません。
まずは自分がしっかり「なりたい自分」というビジョンを明瞭に持つことがスタートであり、それができれば相手に伝わりやすくなります。
では具体的に何が必要でしょう?
それは
「なりたい自分」を知ること
「なりたい自分」を知るには
を具体的に考えていきます。
ちょっと漠然としててわからない、という方は時期を決めてみたらいかがでしょう?
例えば、「10年後の私はどうなっていたい?」と自分に問いかけます。
現状維持を望まない限り、必ず今よりも発展した姿をイメージしているはずです。
「なりたい自分」の姿をイメージ出来たなら、
どんな生き方をしているのか?
どんな生活を送っているのか?
どんなマインドを持っているのか?
どんな価値観を抱いているのか?
など、具体的に考えます。
とは言っても、現時点ではまだそこに到達していない段階なので、想像が付かないことがたくさんあると思います。
その場合、自分の理想像とリンクする方のSNS等を見て考え、リストアップします。
しっかりリストアップできたら、内容を分別します。
すでにできていること
やればできそうなこと
ちょっと苦手なこと
ものすごく苦手なこと
分別したら、それぞれの項目と向き合い、今後取り組んでいくための優先順位を付けていく。
すでに出来ていることは「得意なこと」
その上に、「やればできそうなこと」「ちょっと苦手なこと」を上乗せすることで、自分らしさを生み出せるようになります。
掛け合わせによるオリジナリティー
これが自分にしか出来ない「強み」となる。
だから、自己ププロデュースする上で自己分析は大事なのです。
「ものすごく苦手なこと」にあえてチャレンジする必要はありません。
そこで四苦八苦している間にできることが山ほどあります。
「やればできそうなこと」「ちょっと苦手なこと」を試みている間に、「ものすごく苦手なこと」が「少し苦手なこと」「ちょっと頑張れば出来ること」へと変化しているかもしれません。
まずは「やればできそうなこと」「ちょっと苦手なこと」に専念しましょう。
「やればできそうなこと」「ちょっと苦手なこと」の中で付けた優先順位に従って行動を始めます。
すぐにはできない事もあるだろうけど、諦めず継続していけば習慣化され、いつの間にか「すでにできていること」の仲間入りを果たせます。
自己分析に役立つ自問自答
新聞記者さんやプレゼン相手に自分をしっかり知ってもらう前に、まずは自分が自分のことを理解していないといけません。
自分がどういった性格か、だけではなく、自分の想いや強みをきちんと理解し、相手に伝えられる力をつけることが大事になってきます。
特に自分で仕事する人は絶対条件の一つで、一番の要な部分。
自分の本心や想いを知るには「自問自答」が手っ取り早い。
とにかく自分に対し質問攻めをします。
答えが出るまで続けます。
答えが出たら、実際に行動を起こし、成長していきます。
具体的な方法はこちら↓を読んでください。
ここで中学校で習った英語が役立ちます。
5W1Hとは、
When(いつ)
Where(どこで)
Who(誰が)
What(何を)
Why(なぜ)
How(どのように)
これらの疑問詞を使うと質問しやすいですよ。
例えば↓
Where(どこで)
Who(誰と)
What(何をしていたとき)
Why(なぜそう思ったのか?)
How(どうしたらその思いが解消されるのか?)
最後に
記者さんの経験値にもよるけれど、とにかく数多くの作家さんを取材してきています。
ちょっと話しただけで、どういうスタンスでそ作家が活動しているのかを一瞬で見抜きます。
これはオフレコの会話から知った事実。
言葉ではどうとでも繕えますが、その奥にある想いは誤魔化しきれない。
だからこそ、等身大の姿と言葉で伝えることが大事で、偽りはもちろん禁止行為。
作家も駆け出しの人がいればベテランもいる。
経歴や活動年数に囚われることなく、正直に向き合うことで必ず伝わるものがあります。
それが出来れば、何度も足を運んで取材をして下さるようになります。
こうして記者さんに伝えることは自己プロデュースそのものであり、回数を重ねれば重ねるほど「伝える技術」も向上します。
取材に限らず、自分のことを「伝える」場はたくさんあります。
積極的にそのような場に踏み込むことで、相手の心にしっかり伝わる魅力的な「自己プロデュース」が出来るようになるかもしれませんね。
そのためにまずは自分自身を知り尽くしましょう!
おまけ
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こんなに本格的な撮影機材を持った記者さん見たことがない。
カメラ好きな私にとっては興味津々。
取材後カメラのお話しで盛り上がりました。
過去彼が撮った写真を見せてくれ超感動!
撮影技術はもちろん、こうした機材を揃え扱える技術も大事ね。
基本技量がボトムアップすることで、出来上がる作品が大幅にバージョンアップする。
写真でも私の作るような作品でも同じです。