コラージュでは基本素材を糊付けします。どんな接着剤を使用するのか。接着が弱いと剥がれ落ちてしまいます。そして素材と接着剤の相性もあります。そこに十分に気をつけなければいけません。
作品を創作する前に必ず試作をしてください。せっかく創った作品がすぐに駄目になっては悲しいですし、お客様の手に渡ってから何かあっては遅いですからね。
両面テープやセロテープは使わない
たった数年の経年で粘着は驚くほど弱くなり、簡単に剥がれ落ちてしまいます。化学変化も起こり、素材表面に色変化(主に黄ばみ)をもたらすこともあります。
ボンドは中性が理想
木工用ボンドの多くはpH3.5~5.5。pH7が中性。それより数値が小さい場合は酸性なので、木工用ボンドの多くは酸性ということになります。両面テープやセロハンテープも酸性のものが多いようです。これが先ほどの色変化(黄ばみ)に繋がる要因だと考えられます。
素材のpH値にもよるので完璧とはいかないまでも、少しでも長く良い状態で作品を保たせたい場合は、中性ボンドを選びましょう。中性ボンドは、カルトナージュを楽しまれる方にとってはおなじみのボンド。中性ボンドの使用は必須ではありません。私は木工用ボンドを使っていますが、問題なく使えています。
ご興味あれば「中性ボンド コニシ」で検索してみてください。
ボンドはオールマイティではない
ボンドは何でも接着可能かというとNOです。使える素材は主に木・紙・布。プラスチックや樹脂、ゴムは不向きです。
気になる素材にボンドが使えるのかどうか判らない場合は、まず試してみましょう。それでダメなら他の接着剤を試してみる。
ホームセンターへ行けばさまざまな種類の接着剤が販売されています。一発で理想のものに出会えるかどうかはわかりませんが、何よりも試すことが大事です。そこから工夫と改善・学びとして自分の知識の宝が増えていきますから。
ボンドは原液のまま使わない
木工用ボンドを使うときは原液のままで使うことは少ないです。粘着が強く筆の運びに苦戦するからです。つまり作業効率が低くなり、失敗の確率も増えてしまいます。ボンドは少し流動性を持たせると、作業時間を長くすることができます。
このとき薄めるものは水ではなくでんぷん糊。水を入れた料理は傷みやすいのと同様、接着剤とするボンドも水で薄めるよりもでんぷん糊で薄める方がより良い状態を保てます。でんぷん糊の主成分はとうもろこしなどの植物性でんぷんです。フエキ糊のとうもろこし(コンスターチ)はよく知られています。
素材が紙だけならボンドではなくフエキ糊を使っても良いでしょう。
素材同士の接着を考える
一つの素材を使う場合は1種類の接着剤で済みますが、複数の素材を作品に使う場合はそうはいかない場合があります。
素材によっては接着剤の向き・不向きがあります。特別な素材を使わない限り、接着剤の相性は問題ないですが、まれに使えない場合があります。特にボンドで使えない素材に関しては慎重に接着剤選びをしましょう。
糊接着に不向きなものの一例
布類:一部化学繊維、合皮(表面)、防滴処理(ウォータープルーフ)がされたもの
ゴム:全般
その他:接着面が極端に小さいもの