「今あるものを大切に」は今後、ベーシックな価値観となるのは間違いない。
資源の枯渇や環境汚染など問題が山積みなこの地球は、待ったなしの深刻な状態に置かれているのは誰もが知っているところだと思う。
急速にテレビなどで聞かれ始めた「サスティナブル」や「SDGs」。
「持続可能」なものに意識や価値が求められるようになり、あらゆる場所で取り組みが見られます。
これまでの大量生産・大量消費の時代は少しずつ形態を変え、最終的にはかなり閉塞していくのかも、と感じたりもします。
カルトナージュを始めたきっかけ
私の古着着物を活用した創作活動は「時代を先取りしていたんだ」と我ながら驚く。
しかも「持続可能」が叫ばれる遙か前から。
約10年前からこの活動をしているので、やっと理解される時代が来たな、と。
ただね。
古着着物を使った「着物コラージュアート」だけでは今抱えているお着物を活用しきれないのも悲しい現実。
思いのほか必要とする生地は少ないの。
それ自体エコロジーで良いんだけれど、「1枚でも多くの着物を救う」となるとジレンマが発動する。
上の写真見てもらえば解ると思うんだけれど、一見着物だって判らないよね。
自分が勝手にこだわって使っているだけなので、別に気づいてもらう必要もない。
でもね、「1枚でも多くの着物を救う」という想いを根っこに誕生したアートを多くの人に伝えるためには、「古着着物を使っている」ことを知ってもらわなければいけないこともある。
着物だとすぐに分かる活用をしたい
そんな想いから、カルトナージュにチャレンジし始めました。
カルトナージュとは?
厚紙を好きなサイズや形に切って組み立てた後、布や紙を貼って装飾します。
土台から作っていくので、自分の求めるサイズや形で作ることができます。
つまり、既製品とは違い自分のライフスタイルや収納スペースに合わせて作ることができるので、空間や収納に悩む時間の無駄が省ける。
自分の好きなように装飾できるので、より自分らしいインテリアを演出することも可能。
当然見た目の統一化を図ることも出来るから、お部屋の印象がスッキリして広く見えるメリットもある。
こうして少しずつ自分の望むアイテムを作っていくって、「自分の城」を築くかの如く楽しいよね。
今あるものを活用したカルトナージュ
今ある収納を全てカルトナージュで作り直したら、現在使用しているものが不要になってしまう。
まだ使えるものならリサイクルショップに持って行けば良いけれど、そうでなければ処分するのが必然的な流れ。
全部捨てていたらゴミが増えるだけで、環境にもよくない。
私はきっちり整理整頓していないと落ち着かないので、収納するための様々なボックスをたくさん持っています。
ここで新たに収納ケースを作ってしまったら、今まで使っていたボックスたちは「用無し」となり、最悪処分の身となるわけです。
それは私の理念に大きく反している。
今あるもの(着物・収納されるもの)を活用するために、今まであったもの(使用してた収納など)を捨て、カルトナージュで新調するって。。。矛盾してない?と思うのです。
だから、今自分が持っているものを生まれ変わらせて、これからも長く愛用する。
そのための手法の一つが「カルトナージュ」の技術。
「カルトナージュ」と言うから、全て厚紙を使って作らなきゃいけないのか?と言ったら、答えはNO。
つまり、、、
本来の厚紙を使った布箱作りじゃなくても良いってこと。
ボックスの土台となるものを、おうちにあるものや頂いた菓子箱で代用したり、それこそ100円ショップで購入してもいい。
例えば、、、
100円ショップで購入したクリアケース
これ↑が、こう↓なる(右側2つ)
こちらは菓子箱
これ↑が、こうなる↓
ね?
活用出来るものがたくさんあって乱雑になりやすいなら、一つにまとめるのもありだよ。
カルトナージュで装飾したいろんなミニボックスを入れるために、大きな収納ボックスを同じ生地で作ってみました↓
きれいに布を貼るにはコツが必要だけれど、自分で使う分なら、そんなにシビアになる必要もないよね。
ちなみに着物生地はボンドが染み出しやすいので、簡単な処置方法をオススメしています。
厚紙をスムーズに切るための工夫
厚紙を必要サイズと形状にカットして作っていく場合。
よく使われる厚紙の厚さは2ミリ。
カッターで切ろうと思ったらかなりしんどい厚さです。
そこで登場するのがクランプ。
100円ショップで購入できます。私はダイソーでゲット。
クランプの使い方はシンプルで必要なものを挟むだけ。
②カッティングボードの上にカットしたい厚紙を置く
③フェルトなど少し厚めでやわらかい生地を置く
④クランプで全部を挟む
⑤切る
ここで注意しないといけないのは、挟む力がとても強いのでそのまま使うとクランプの跡が厚紙に付いてしまいます。
③のように、何かやわらかい布を挟んで使うと良いです。
私はビーズマットを挟んで使っています。
まとめ
今あるものをリメイクして使う以外に、一から自分の必要なサイズと形で収納ボックスを作ることができるカルトナージュ。
それは厚紙を切り組み立てるところから始まる。
丸いボックスを作る以外は2ミリ厚の厚紙を使用するのがメジャー。
2ミリという厚さはかなり手強いもので、手でカットするのが一苦労。
カッターの刃を頻繁に折り切りやすい状態にしておくのも大事だけれど、ちょっとした工夫で作業効率を上げることができます。
クランプを使うことで、カッターで切るときに厚紙を押さえつける力が少なくて済む。
疲れないのでより長い時間切り続けることも出来る。
そして、無駄な力を省くことでカッターの刃があらぬ方向へ行くこともないので、切り損じを防ぐことも出来る。
上の三角パーツは50分ほどで44個を切り出した。
クランプを使わないときは、1.5倍ほどの時間を要していたので、随分と効率が良いのが分かる。
ここでご紹介した方法は、ほんの一例です。
ご自分のアイデアやこれまでの経験、周りの方の助言などでいろいろな方法を試してみて下さい。
案外困っている方は多いので、そのアイデアをシェアすると喜ばれるかもしれませんよ。