時代の流れや生活様式の変化、そのものの劣化等により毎月6トン以上もの着物が廃棄処分されていると言われています。
最終的な処分方法は焼却。これで完全に姿形を消すことになります。
2015年より本格的に着物を使った作品作りをしているnaomariaですが、当初は着物に対する知識は非常に浅いものでした。
もちろん業界の現状やリサイクル着物の行く末など知る由もなく。
活動を続けるにつれ、眠ったままの着物の終末を知り胸を痛めることが多くなりました。
着物一枚作るのに長い歴史の中で伝承されてきた技や知恵・工夫を携えた非常に多くの職人たち、原料となる絹を吐き出す膨大な数の蚕の命。
一枚の着物の向こうには計り知れない世界が広がっています。
処分するのは簡単ですが、そんな背景を考慮すると、
捨ててしまうのではなく何かしらの形に変えることが持ち主はもちろん着物自体も喜ぶのではないでしょうか。
ここ数年そんな想いが大きく膨らみ活動内容も変化してきました。
ただ作品を作るのではなく、何のために作品を作るのか。
創作活動を通してどうなってもらいたいのか。
そのように想いのベクトルが変わっています。
着るには及ばない状態のもの、サイズ違いや好みではないものでも、アイデアと工夫次第で蘇らせることが大いに可能です。
naomariaはリサイクル着物が直面する現状に心を痛め、「一枚でも多くの着物を救う」をモットーに制作活動をしています。
これら活動を通し、着物の魅力を再発見し新たに活用する方法を各々が考えるきっかけとなったら幸いです。
着物アップサイクルの実例