2022年、Independent Tokyoに知人が出展していたので観に行っていました。
というのも、インスタの広告やフォローしている作家さんが、主催のTagboatの展示に参加されている記事を何度も見かけており気になっていたから。
実際に足を運び、直接目で見て感じる空気感に自分も挑戦したくなった。その場で「来年は私もここで展示する!」と決意。
受付開始直後にエントリーした。
初めてのIndependent Tokyo出展
Independent Tokyoに出展するのは初めて。
ここはアート好きな目の肥えた来場者やギャラリストなどのプロによる審査など、普段の個展では出会わないような人たちとたくさん出会える場所。
気合いが入らないわけがない。
準備期間は1年あったと言ってもいい。
が、気合が入れば入るほど、展示する作品にこだわりが生まれ、慎重にもなった。
作品を発送する直前まで構成を何度も練り直しなんとか着地させたほど。
それほど練りに練ったので、もう微塵も不安や心配もなかった。
出展作品が決めきれない
今回は2シリーズで参加。どうしても絞りきれなかったから。
パッチワーク風コラージュの「コクーン(繭)」シリーズ
人気は二分したけど、うろこの方が圧倒的に反応が良かった。
来場者の反応
このIndependent Tokyoは、アート好きな方がたくさん来場されるので、良くも悪くも反応がシビアだったりする。もちろん深い部分で。
より分かりやすい反応をしてくれるので、作品をどのようにブラッシュアップさせていけばいいのかが見えやすい。
目が肥えている方との触れ合いは、作品を成長させる上で絶対不可欠な条件。
改めてそう強く感じました。
通常の個展では「どうやって作るのか?」という表面上の質問ばかり。
ここではそのような質問は皆無。
アメリカで経験した時と同じように、想いやコンセプトなど作品の奥にあるものに触れたがる方ばかりでした。
話が始まれば滞在時間も長くなる。だからたくさん感想を頂ける。
そこには次に繋がるヒントが転がっていることもある。
同じような感想がたくさんあれば、それはもう「その通り」なので、あとは実行するだけ。
私の場合は
色合いが素敵
労力と価格が釣り合っていない
このまま私なりの色世界を表現し続ける
価格を上げる
ビジネス展開に悩んでいればプロの話を聞く
これがポイントです。
来場者の客層
ちなみに来場者の客層は老若男女問わずさまざま。
職業もいろいろ。
とはいっても、クリエイティブなお仕事をされている方が多かった印象。
だから作品を観る視点が違うのかもしれませんね。
高校生や中学生らしい子たちもたくさんいました。
中には芸能人がお忍びで観に来たりもしていましたよ。
準備が9割
事前にどれだけ準備をしっかりするか
制作にどれだけ真剣に向き合うか
それだけで現場での時間の流れ方が変わるし、自分の心構えも変わる。
「もっとこうしておけばよかった」と思うより
「こういうやり方もよかったかも」と思う方がポジティブで断然良い。
不安や心配ばかりでは、それが相手に伝わってしまう。
言葉の選択や語尾のトーン。
目つきや顔つき、ジェスチャーなど。
全てから滲み出てくる。
テーマに沿い展示構成を考え、当日のシュミレーションを何度も行う。
そこで何が足りないのか、過度なのかを考え仕上げていく。
これらが私が今回初挑戦するにあたりやったことです。
下見はしておいて大正解でした。
実際にお客さんの流れを見ているので、どこのブースに当たっても展示構成を適応できる自信がありました。この場合テーブルは不要だったけどね↓
もうひとつの大事なこと「期待しない」
準備は9割大事なのは、格言的にも使われているので理解されてる方も多いでしょう。
あともう一つ大事なことがあって、それは「期待しない」ことです。
期待すればするほど、そうならない現状に焦りが出てきて、行動や表情が不快なものに変わっていきます。
期待するだけで望む結果が限定的となり、そうでない場合の気落ちは激しくなりやすくなる。
購入してくれるかどうか
審査員のジャッジ etc.
全て価値観の違う相手のあることなので、自分の理想を相手に押し付けることは甚だ間違いだよね。
これまでの私はそんな部分もあったけど、今回はそれらが全て拭われまっさらな気持ちだった。
初めてたくさんのアートに造詣のある方々に見てもらえる機会にワクワクの方が勝り、終始楽しくて仕方がなかった。
もちろん真剣勝負なんだけど、半分お祭り気分での参加だったよ。
だから楽しくてたまらなかったんだよね。
その結果、7~8時間立ちっぱなしでも全く苦ではなかった。
もちろん足腰は辛かったけど、座って休もう!という気がほとんど起こらなかった。
私は賞をもらうために参加しておらず、とにかくたくさんのアートを愛する人たちに見ていただき知って頂くこと、好きになってもらえることが第一の目的としてあります。
その延長線上に、購入してくれること、賞をもらえることが続いています。
参加した結果、得たこと感じたこと
Independent Tokyo 2023に初めて出展し、非常にたくさんの来場者を通して、自分の作品を客観的に見ることができました。
だからこそ今後の制作意欲にも繋がったし自信も持てた。
もちろん「刺さらない」方もいてたくさん素通りされたけれど、そんなことはお構いなし。
一人にでも心に刺さり、その人にとって何かしらの良き影響を与えられたのなら、すでにその作品は存在価値があるわけで。
それが最高に嬉しい瞬間なのです。
もちろん「これで食べていく」と決意したのなら、それ相応の努力も必要だけど、「ウリ」に走ったら自分の魅力が半減どころがなくなってしまう。
アートと呼ばれる形態のものでお金を稼ぐというスタイルもありますからね。
それはダメだと言うわけではありません。
どのようなスタンスでアートに向き合っているかで、行動を決めれば良いと思います。
私にとってのアートはそういう立ち位置。
改めてアートをお金稼ぎの道具にはしたくないな、と感じました。