ペン画を習い始めて知った木版画家の川瀬巴水。
私は浮世絵も好きなので気になり観に行ってきました。
前知識はなく純粋に作品と向き合う時間。
とにかく圧倒されたのがその数!!!
180点もの作品が並べられていました。
それら全てを一つ一つ順番に観ていくのではなく、引き目でざっと見て気になる作品の前に足を運ぶ、というのが私スタイル。
このスタイルをとるのは、自分の心の反応を知りたいし湧き上がる感情をしっかり味わいたいから。
それにこれほどの数の作品を一つ一つ丁寧に観ていられるほどの体力と集中力は、そもそも私には備わっていない。
このスタイルで観ていくと、私を引き寄せる作品に傾向があるのに気づくことができる。
青の世界
どれもこれもこの青色が広がる作品にばかり目が奪われました。
そこから探求していく。

今の私はなぜこんなに青の世界に惹かれるのだろう?
連日うだるような暑さだからかもしれない。
感情がクールダウンしているからかもしれない。
なんとも言えない憂いさに共鳴しているのかもしれない。
いますぐ答えが解らなくても、一度自分に問いかけることで意識が自分の中に生まれ、いつか腑に落ちる答えが自ずとやってくる。
そのときまでお預け状態だけど、それはそれで良い。
もちろんその場で答えが見えることもあるけどね。
ちなみに青色の持つ意味は
・冷静さ、論理的、知性、洞察力、思慮深さ
・悲しみ、寂しさ
・広大さ、自由
・幸福と平和の象徴
青色を選ぶ人の深層心理としては、失敗しないよう慎重に行動する傾向があるのだとか。
それは人から立派に見られたいという思いの結果で、不安や心配が前提にあるので考えに考え行動する、というイメージ。
この深層心理は的を得ているかも、という感想を抱いた。
というのも、今現在、とても大切だと位置づけている展示の準備に追われているから。
後悔しないためにより全力を尽くしているし、プロたちの目に私の作品がどう映るのか?という少しの不安もある。
それが色として現れているのかも知れない。
このようにアート鑑賞を通じて、自分では気づいていない自分の想いに気づくことができる。
先ほども言ったように、すぐに答えが解らなくても推測することはできる。
この推測も自分を追い込むようなものであってはいけないけれど、自分を知る上で大事なポイントでもある。
ただ観るだけではなく、こうして自分の中に湧き上がる感情や共通する嗜好を一つ一つくみ上げて分析していくと、自分を深く知れるようになります。
アート鑑賞はアトラクションとは違い、自分との対峙のきっかけをくれるもの、と個人的に考えています。
心を揺り動かされるから観たいし、その作品について知りたくなる。
そうなったときに初めて作品は存在する意味を見出し、(その人にとって)価値が高まる。
ジョニー・デップが言っていた。
「例え一人でも共鳴する者がいれば、その作品の存在には意味が生まれる」
作品を「理解する」ではなくて「共鳴する」
です。
作者がどんな意図でどのような手法で制作したかを考えるよりも、観る者の心の動きの方が大事。
これは常々私も話していることです。
ちなみにもう一つのメインビジュアル作品。
やはり美しかったです。
全ての作品に言えることだけど、どうしてこんなに細かな線描写を版画でできるんだろう?と驚愕でした。
(作り手は技術も気になるところ。ちょっと話が矛盾してるね 笑)