リサイクルショップで売れ残った着物の行く末

リサイクルショップでも売り残った着物の行く末。
とても気になったので、私がよく利用するお店で聞いてみた。

 

販売努力をしているリサイクルショップ ~名古屋~

月一「昔のきもの市」と称し山盛りの古着着物を110円から大放出しているお店が名古屋の大須にあります。

中部地区の着物好きさんには有名な催しなので、会場はいつも人でごった返している。

 

中古着物の状態っていろいろなんで絶対売れ残っちゃうんじゃない?かと疑問。
で、聞いてみた。答えは

売れ残らないよ~。絶対全部売っちゃうから。あまりにも状態の悪いものは業者さんに引き取ってもらってる。処分代の方が高く付くからね~

でした。

 

つまり、在庫を抱えるだけ抱える → さばききれない → 身銭を切って処分とならないような仕組み作りを徹底している。

身銭を切って処分するのが必然となると、買取業者の着物を引き取りたくない気持ちも解らなくもない。

 

そう思うと、私が尋ねたお店では相当な販売努力をされてるんですね。

聞いてみないと分からない実情。
その”業者”さんに渡ったらどうなるんでしょうね。そこまではさすがに聞けなかったわ。

 

大福屋名古屋店 毎月28日開催「昔のきもの市」
愛知県名古屋市中区37−37 大須3丁目37−13
10:00~18:00
火曜定休

 

 

販売努力をしているリサイクルショップ ~京都~

京都で超有名なリサイクルショップ「戻橋」さん。

不定期だけれど70Lのゴミ袋に詰め放題っていう催しが開催される。
1袋たったの1000円!はるばる愛知から車で出かけたよ。
新幹線で持って帰れるほど少量購入で済まないからね、私の場合。

ほらね↑あ、これ二人分。私のは下のやつ。

着物を物色しているときはもちろん70Lのポリ袋に入れていくんだけれど、袋いっぱい着物や帯を入れると重さで持ち上がらず、無理に持ち上げれば袋が破れます。

戦利品ゲットしたら丈夫な袋に詰め替えるのは必至。
こんなの新幹線で持って帰れないです。
宅配で送るにもサイズオーバーになりかねない。着用であれば「ほどほどに」です。

会場には駐車場はないので近隣のコインパーキングに停めます。
そこまで歩くのでやはりキャスターが付いているものはあった方がいいですね。

しっかり固定しておかないとこうなります↓。

私のだけで25kgありました。

70Lの袋目一杯入れるとそのくらいの重さなんですね。
どおりで重いわけです。。
数は全部で45点!帯も含めて、です。

2023年に入ってからこの詰め放題を見かけなくなりました。

大量に着物を仕入れたときゲリラ的に開催するっぽいので、興味のある方は頻繁に情報を取りに行かれた方がいいですね。HPではなくツイッターで告知してくれます。

初めの頃の詰め放題は、上京区にある店舗で開催していたようですが、私が行った2022年9月は阿波橋のフォトスタジオで開催していました。
会場が大きいから大量の着物を平置できるので見やすいし。
またそちらで開催されたら伺いたいな、と思っています。

ちなみに営業日には店舗3階では毎日フリマ(全点500円)を開催していますよ~!

アンティーク着物展「戻橋」
京都府京都市上京区中立売通黒門東入役人町237
13:00~18:00
木曜定休&不定休

販売努力しても売れ残ってしまうものもあるんじゃないかな?それらはどうなるんだろう?
またお店へ行ったときに伺ってみようと思います。

 

不要とされた衣料品の実情

着物に限らないけど、衣料の処分量が世界的にえげつなくて心が痛い。
5世代先までまかなえる服がこの地球上には有り余っているのだとか。

 

その多くはインドやアフリカなどの国に引き渡され、広い大地に山積み放置状態で処分されないまま。
衣料は石油から作られることもあり土壌汚染などの問題が発生中。
焼却処分するにも施設を建てる資金もないので、ただひたすら受け入れるだけの状態。。

作り出し消費した国ではないところに皺寄せが行っている

この不条理な実情に首を傾げるばかりです。

▶『洋服の廃棄量もかなり深刻

 

着物に関して言えば、毎月6万トン以上が処分されていると言われています。
この処分は”焼却”を意味します。

”焼却”と聞いてどう感じますか?何を思いますか?

私はひたすら胸が痛みます。
そして同時に「一枚でも多くの着物を救いたい!」と強い想いが湧いてきます。

 

今は自宅で焼却されることはないので、自治体が回収するゴミとして出されることが多いのではないでしょうか。
ご自分の住まれているエリアではどのような扱いをされているのか知るのも良いかも知れませんね。

 

私たちが出来ることは?

処分されるリサイクル着物や古着着物をリメイクしたりアートに変えたり。

それぞれの持つアイデアと技術で新たなものへと生まれ変わらせたら、有り余る衣服問題も少しは減るかもしれない。

 

皆さんはどうだろう?
何が出来ますか?出来ると思いますか?

すでに取り組まれている方も含めて、もう一度考えてみるのもいいですね。
新たな視点が生まれて、斬新なアイデアが浮かんでくるかもしれません。

 

今後の主な流れ

少しずつ消費に対する意識が変わりつつあるとは言っても、やはり経済は回さないといけないので完全に大量生産・大量消費がなくなるわけではありません。

では今ある余剰品はどうするのか?

メーカーが生産した責任として回収し次に活かす活動も目にするようになりましたが、まだまだ追いつかないですよね。

それにその責任をすべてメーカーに委ねるのも違うかな、と。

消費者も出来ることを考え行動に起こしていくことが大事です。

 

昔の人は、いろいろな理由で着物を何度も作りかえ、雑巾になるまで使い切っていました。

そこまでの努力とは言わなくても、私たちが持つそれぞれのアイデアと経験で新しい価値を付加し、新たな商品や姿として生まれ変わらせるアップサイクルはした方がベターだし、今後そのスタイルが主流になるのではと感じます。

 

モノを作り出すにも資源が必要。その資源には限りがあります。
特にエネルギー資源は深刻です。
自然の力を借りた風力や水力、太陽光発電が注目されているのは何故でしょう。
環境汚染に限らない理由が背後にはあります。

 

これからの時代は「今あるものをいかに活用するか」がメジャーなテーマになります。
それを先陣切って始めた方が”先駆者”として色々な場面で人の役に立つ機会が多くなるかも知れません。そんな一員になってみてはいかがでしょう?

私はもう始めています!