【一枚の着物ができあがるまで】#6 染め

先染めと後染め

先染めは糸の状態で染めること
後染めは生地にしてから染めることです。

先染めは紬や木綿、ウールなどしっかりとした厚めの着物が多く、街着として着られているものが分類されます。
後染めはフォーマル着として分類される薄くしなやかな生地のものが多いのが特徴です。

 

糸を染める(先染め)

糸は染料に浸して染められることがほとんど。
植物などを煮出して染料を作り、糸を束ね浸します。
色が定着するまで何度も染めと乾燥を繰り返します。

 

生地を染める(後染め)

生地も同様、染料に浸して染めることもあります。
こちらは染料の一色で仕上がるため色無地に用いられる技法(浸染)です。
これ以外に技術の賜とも言える絞り染め、友禅染め、型染めなどがあります。

 

浸染(しんせん)

浸染は、繊維の中までしっかり染料が浸透し、表裏なく同色で染まります。
想像通り、染め分けは大変難しい染め方です。

 

絞り染め

生地を細かくつまみ糸で括ったものを染料に浸し染めるもの。鹿の子柄が有名。

絞り染め

 

友禅染

絵画のように筆や刷毛を使い、手描きで絵や模様を染め付けていく技法。
捺染(なっせん)に分類されます。
捺染は、繊維の表面だけがそまり、表裏の染め分けができる場合があります。

 

型染

文様を彫った型紙を生地に当て染料を乗せていくことで染める方法。
今で言うステンシルのようなもの。伊勢型紙や江戸小紋などが有名。

 

参考文献

それぞれの工程については非常に長くなるので、興味もたれた方はご自身でお調べください。
とても分かりやすく私が参考にしている本がありますので、ご紹介します。

>> 『産地別 すぐわかる 染め・織りの見わけ方』

出版:東京美術
著者:丸山伸彦
単行本:135P
ISBN-10 ‏ : ‎ 4808707241
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4808707248

 

次回は…

最終回。最後の段階「着物に仕立てる」です。

 

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【一枚の着物ができあがるまで】#6 染め
【一枚の着物ができあがるまで】#7 着物を仕立てる